授乳中に起こりがちなトラブルの代表格、乳腺炎。
おっぱいがカチカチに張ったり熱が出たり・・・
ただでさえ寝不足でも休めない育児中に、ひどい痛みや高熱を伴う乳腺炎はつらいですよね。
私自身は、何故か右胸ばっかり繰り返していました。
青筋が立つほどカチカチに張り、乳房全体が熱をもって・・・
幸い発熱までくることは少なかったですが、それでも身体がだるく、胸から肩、後頭部のあたりまで激痛が走り、日常生活に支障が出るほどつらかった覚えがあります。
でも、なぜこんなつらい乳腺炎になってしまうのでしょうか?
今回は乳腺炎の原因や予防法、なってしまった後のケアなど、改めて見直してみたいと思います。
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目次
そもそもどうして乳腺炎になるの?
乳腺炎には、2つのタイプがあります。
- 赤ちゃんが飲み残した母乳が乳腺に詰まってしまう『急性うっ滞乳腺炎』
- 急性うっ滞乳腺炎が悪化したり、赤ちゃんの唾液から細菌が入る『化膿性乳腺炎』
乳腺炎の予防法は?
① 授乳の仕方を工夫してみる
片方のおっぱいばかり長時間授乳したり、いつも同じ抱き方で授乳したりしていませんか?
乳腺は乳首を中心に放射状に広がっています。
そのため、同じ抱き方での授乳を続けていると、一部分の母乳だけが排出される形になり、残りの部分は乳房内に滞ってしまいます。
授乳時、特に新生児期は横抱きの方が多いとは思いますが、時々縦抱きやフットボール抱きなど、違う抱き方で授乳することで、乳房内の母乳をまんべんなく排出することができ、予防に繋がります。
ただ、フットボール抱き…やってみると思ったより難しいですよね。
こちらの動画が参考になるので、ぜひ練習してみてください。
また、赤ちゃんと乳首の相性もあり、片方のおっぱいばかり欲しがる赤ちゃんもいます。
そんなときは、赤ちゃんが空腹のうちに飲みたがらないほうのおっぱいを先にあげてしまいましょう。
これを続けることで、だんだん赤ちゃんと乳首の相性も良くなってくるはずです。
加えて、授乳前に軽く乳房をゆするようにマッサージすると、乳腺内の母乳の偏りを防ぐことができ、予防につながります。
② 食事に気を付ける
脂っこい食事は乳腺を詰まらせやすいといわれています。
実際、高カロリーのケーキや肉料理を食べた後などは乳腺炎になりやすいというママも多いので、これらの食事は摂りすぎないようにしましょう。
授乳中はカロリーが高くなりがちな洋食より、バランスよく栄養がとりやすい和食のほうがおすすめですよ。
また、母乳は血液からできています。血液がドロドロにならないよう、適宜水分を摂取することも大切です。
③ 乳房を圧迫しない
きつ過ぎるブラジャーなどで乳房を圧迫していませんか?
乳腺を圧迫しすぎると母乳の流れが悪くなり、乳腺内に滞ってしまいます。
授乳期間中は授乳ブラやワイヤレスブラなど、乳房全体をふんわりと覆えるタイプのブラを着用するようにしましょう。
乳腺炎になってしまったら?おすすめのケア3選
① とにかく吸わせる
初期の乳腺炎は、とにかく赤ちゃんに吸ってもらうことで詰まりを取ることができます。
触るのも痛い乳腺炎ですが、そこはぐっと我慢。涙をこらえて、とにかく授乳を続けましょう。
その際、いつもとは違う体位(横抱きやフットボール抱き)で授乳すると、滞った部分の母乳が流れやすくなり、治りが早くなります。
授乳前に軽くマッサージして流れを良くする方法もありますが、うまくやらないと余計に母乳が作られてしまい、火に油を注ぐ結果にもなりかねません。
素人判断で行わず、乳腺外来や母乳外来で助産師の指導を受けてからのほうがいいですよ。
② 冷やす
乳房が熱をもっている場合は、濡れタオルや保冷剤などを当てて熱をとります。
おばあちゃん世代の方に聞くと『乳腺炎はキャベツを当てとけ』なんて言われますが、これは『キャベツくらいのひんやり感がちょうどいい』という意味で、あながち間違いではないそう。
確かに、下手に薬に頼るより、キャベツのほうが赤ちゃんにも優しそうですね。
③ それでもだめなら迷わず受診
1~2日、授乳を続けても変化がみられない、余計に悪化するなどの様子が見られたら、早めに受診してみてください。
産婦人科併設の母乳外来や助産院などで、助産師に適切なケアをしてもらうと、治りが早いですよ。
また、断乳や卒乳後の乳腺炎は赤ちゃんに吸ってもらうことができないので、こちらは迷わず母乳外来へ。
できれば断乳前に予約しておくと、早期に適切なケアが受けられ、次のお子さんの授乳がスムーズに始められたり、乳房の形を美しく保つことができます。
まとめ
・飲ませ方を工夫し、乳房内に飲み残しがたまらないようにする
・血液ドロドロにならないよう、食生活に気をつける
・なってしまったらいつもと違う抱き方でとにかく授乳!
・熱をもっているときは冷やす
・それでもだめなら母乳外来へ!
赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれる期間は長くても2~3年。
多くの場合、1年ほどで卒業してしまいます。
そんな短い期間しかない授乳期、痛みに悩まされるのはもったいない!できるだけセルフケアに気をつけて乗り切りたいですね。
ママと赤ちゃんが笑顔で授乳を楽しめますように。