お詫び

場面緘黙症に関する多くの相談・お問い合せありがとうございます。

2017年8月現在、【家事・育児・仕事・学校行事・習い事の送迎】に忙しく、お問い合せのメールに返信できておりません。

 

現在頂いているお問い合せをもって、しばらくお返事は控えさせて頂きます。

申し訳ございませんが、ご了承下さい。

 


 

自宅以外で全く喋らなかった娘が、特定のお友達と普通に喋れるようになりました。

 

2015年4月に場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)と診断され1年が経ち、6歳になった娘は小学校へ入学しました。

この1年間は娘中心の生活で、病院、支援サービス、幼稚園、小学校に走り回り、

慌ただしい毎日でしたが、その甲斐あって場面緘黙症の症状が少しずつ改善しており、

現在は特定の友達と

  • 普通におしゃべり
  • ゲラゲラ笑う
  • 一緒に遊ぶ

ことができるまで改善しました。

 

というわけで、この記事では

1年間で改善した事、取り組んだ事を簡単にまとめた

『場面緘黙症の娘の1年のあゆみ』を紹介したいと思います。

場面緘黙症とは?

場面緘黙症を知らない方のために簡単に説明すると

家では話せるが、幼稚園・小学校など特定の状況で話せなくなる(声を出せなくなる)症状のことを言います。

人見知りや恥ずかしがり屋とも思われがちですが、それらより症状が強く長期に渡って続きます。

言語や知能の発達は正常であることが多いようです。

なんで喋らないの?と聞かれても

  • 自分でもわからない・なんとなく
  • ドキドキして声が出なくなる
  • 胸が苦しくなる

など、症状や感じ方は人により様々。

場面緘黙症の人は緊張や苦しみが、毎日の何気ない生活に常にあります。

場面緘黙症について詳しくは「かんもくネット」さんを御覧ください。
かんもくネット

『ザ!世界仰天ニュース』で場面緘黙症を知りました

入園して2年。

幼稚園で娘が喋っていないことは知っていましたが、

  • 恥ずかしがり屋だから
  • 人見知りだから
  • 成長したら喋れるようになるだろう

と、そこまで大事には考えていませんでした。

 

しかし、YouTubeで偶然見た『ザ!世界仰天ニュース』がきっかけで事態を真剣に考えるようになりました。

番組は『静かな少女の秘密』というタイトルの、幼稚園・学校で声を出せない少女の物語です。

物語が進むに連れ、症状が娘と似ていることに気付きハッとしました。

 

この時初めて場面緘黙症という病名と、娘が苦しんでいるということを知りました。

YouTubeの『ザ!世界仰天ニュース』は違法アップロードのため、間もなく削除されました。

※仰天ニュース「静かな少女の秘密」のあらすじは場面緘黙症 Selective Mutism(Facebook)さんを御覧ください。
場面緘黙症 Selective Mutism

幼稚園にも相談しました

場面緘黙症という病名を知ってから、幼稚園に相談しました。

幼稚園は早い段階で、場面緘黙症を疑っていたようですが、精神的疾患はデリケートな問題で、

  • 「失礼なことを言うな!」と逆上したり
  • そのうち治るからほっといて
  • 家庭の問題に口出ししないで

と、親が病気を認めないケースが過去に何度かあり、幼稚園教諭が精神疾患について口出ししにくい状況にあるようです。

 

しかし、先生方からのサインはありました。

  • 5歳までには娘ちゃんの声を聞いてみたいなー。
  • 園長先生が「僕と喋ってくれない」って泣いてましたよ(笑)
  • コチョコチョしても声出さないって頑固ですねー(笑)

などなど、思い返してみると、よく声をかけられてました。

恥ずかしいことに全く気付きませんでしたが・・・

というより、気にしていませんでした。

娘の症状と改善したところ

2015年4月当時の症状と、2016年5月現在までの改善された点です。

1年間で大きく改善し、早期治療の大切さを実感しました。

幼稚園で声を出せない

家では『話すし、叫ぶし、歌うし、ゲラゲラ笑うし、冗談も言う』普通の娘です。

しかし、幼稚園に行けば一言も喋りません。

私と喋っていても、人の気配を感じるとピタッと喋らなくなり、ジェスチャーで伝えようとします。

2016年3月

幼稚園内では一言も話さないものの、首を縦横に振りYES・NOを伝えられるようになりました。

また、自宅では特定のお友達4人と喋れるようになりました。

卒園前に、一番仲良しのお友達1人のみと 耳元でコソコソお話ができる様になりました。

2016年5月現在

小学校に入学し、幼稚園からのお友達と教室内でお話ができるようになりました。

他の児童に紛れて、コッソリ歌も歌うようになりました。

何もしない

前年の運動会・お遊戯会はじーっと立ったまま。

走らず、踊らず。何もしませんでした。

2015年9月

運動会で元気に走り、恥ずかしそうに踊っていました。

12月のお遊戯会では、「セリフ」は言うことが出来ませんでしたが、最後まで楽しそうに踊り切りました。

一人で遊ぶ

幼稚園では一人で遊んでいるみたい。

娘が 話さないのを周りのお友達は知っているので、イエス ノ で答えられる様に 聞いてくれました。

例えば、鬼ごっこする?しない?

という様に・・・

2015年11月

無言でニコニコしながら友達を追いかけてるのを確認。

鬼ごっこの鬼だったみたいです。

トイレに行けない

ママまたは、心を許した先生と一緒じゃないとトイレに行かない。

トイレに行きたくても、声を出せないから漏らしてしまう。

2016年4月

1年生になって急成長!

学校のトイレに友達と行き、一人で用が足せるようになりました。

おつかいには行ける

なぜかおつかい(八百屋さん)には行けます。

挨拶もするし、「●●ください」とも言えますが、知ってる人が見てると言えません。

2016年5月

現状維持です。

緘黙症の治療と取り組んだこと

役所の保健福祉課で相談

『場面緘黙症』を知り、役所の『保健福祉課』に相談しました。

ここで、病院・施設・受けられるサービスなどを教えていただきました。

地域によって相談窓口や名称は違うかもしれませんが、相談できる所はいくつかあるはずです。

どこに相談したらいいかわからない時は、役所で聞いてみましょう。

小児科(発達外来)

心理療法を行っています。

週1、または2週間に1回通ってます。

2016年7月

支援サービスでの活動が楽しすぎて、ソッチばっかり行ってます。

病院には全く行かなくなりました。

児童発達支援のサービス・施設の利用

心理療法士とのお遊び(行動療法)や、少人数制のグループ活動など。

担当の心理療法士さんとはよく喋り、元気に遊びます。

自宅にお友達を1人ずつ招いた

『家なら喋るかも』と期待を込めて、娘の指定した『一緒に遊びたいお友達』を一人ずつ家に招きました。

  • 家に来てもらったものの、やっぱり喋れません。
  • 喋りたいけど、声を出す勇気が出ないのが見てて辛かったです。
  • きっかけが必要だと思い、コチョコチョをして笑い声を出させました。
  • 一度声が出ると、普通に喋り出しました。
  • しかし、喋れるのはその日だけ。
  • 日が変わるとまた喋れなくなります。
  • それでも連日お友達を招き、きっかけを作り続けました。
  • 全く喋らない日もありました。
  • 3ヶ月が過ぎた頃、いつの間にきっかけが無くても喋れるようになってました。

幼稚園の先生を家に招いた

先生との心の距離を縮めるために、先生を家に招き遊んでもらいました。

最初は恥ずかしそうでしたが、次第に喋るように。

マンツーマン(先生を独り占め)なので娘も嬉しそうでした。

幼稚園で緘黙症の絵本を読んでもらった

幼稚園で『なっちゃんの声-学校で話せない子どもたちの理解のために』という絵本を読んでもらいました。

『喋りたくても、ドキドキして声が出せない』という事を、他の園児たちにわかってほしくて幼稚園にお願いしました。

保護者に場面緘黙症の事を知ってもらった

  • 娘ちゃんは喋らないね
  • 声を聞いたことがないわ
  • なんで喋らないの?

と言われる事があり、かんもくネットの啓発資料

リーフレット『保護者のみなさんへ』を印刷し、保護者のみなさんに場面緘黙症の理解を求めました。

追記:2016年8月19日

夏休み中も、朝~夕方まで子供を預かってくれる支援サービス(10名程の少人数制)に元気に通っています。

小学校の同じクラスの友だちも通っているのが良かったみたいで、嫌がること無く楽しんでいるようです。

他の児童とも慣れてきて、このグループの中では普通に喋ってます。

 

先日、「はないちもんめ」や「あんたがたどこさ」などのわらべうたで遊んだ時に

10名の児童と先生の前で、1人で歌を発表したそうです。

これは大きな進歩。

 

先生からの連絡で知ったので、私は見てませんが。。。

2016年の夏も少しづつ成長しているようです。

追記:2016年9月1日

緘黙症の子供をお持ちの、お父さんお母さん、

学童や支援サービスを有効に利用しましょう。

他の児童と一緒に活動する事は、緘黙症に有効なようです。

 

娘が通っている支援サービスの先生からの又聞きですが、

先生が参加したセミナー?講演会?で聞いたお話で

「このようなサービスを利用している緘黙症の児童が、2年間で普通に喋れるようになった」

という報告があったそうです。

 

集団生活の中で、自分よりできない子(障害があってうまくできない)から「これやって」とお願いされると、

頼られてる!

と意識して、自信が付くそうです。

実際、うちの子も外で友達と会ってもしゃべりませんが、そのグループの中では

「ムードメーカー」だそうです。ビックリ。

 

  • 何でも経験させて、達成感を味わう
  • 子供に任せて(頼って)自信を持たせる

って事が重要なんだな。と思った1日でした。

追記:2017年3月15日

最後まで頑なに喋らなかった、男の子とのおしゃべりに成功。

担任の先生の協力で、席を隣にしてもらいました。

※1回目の「席おとなり作戦」は失敗。2回目で成功でした。

 

これで、クラスのお友達、全員と会話することができました

しかし、担任(女性)とは未だ喋らず。

担任意外の先生とはしゃべるのに・・・

担任の先生が嫌いなわけじゃなく、むしろ大好きなんです。

おしゃべりしたい気持ちはあるので、もう1歩といったところ。

さらに、娘の口から「2年生になったら発表をがんばりたい」という目標が飛び出しました。

追記:2017年4月18日

2年生になった初日、始業式前の出欠で返事ができました。

娘から『今日ね、お名前呼ばれたから「はい」って言ったんだよ~

と報告がありました。

 

1回言えたらもう平気。

通常級でも、支援級でも返事は毎日してるようです。

実は、始業式の前日に

  • もう2年生だね~
  • 明日返事できなかったら、また1年間返事できなくなっちゃうよ~。
  • がんばろっか!

とお尻を叩きました。

コレのおかげかどうかは分かりませんが、返事はクリアしました。

幼児期からの治療で改善も早くなる

場面緘黙症は、早期治療で長引かせないことが大切です。

幼児期から治療することで改善も早くなります。

現に、うちの娘は1年間で大きく改善しました。

  • 人見知りだから
  • 恥ずかしがり屋だから
  • おとなしい子だから
  • その内しゃべれるようになるから

こんな考えではダメです。

子どもの事を想うのであれば、なるべく早く治療に当たりましょう。

最後に

1年間の治療と支援を受けて、友達と全く話せなかった娘が、数人の友達と教室の中でお話ができるようになりました。

症状の軽重は様々ですが、とにかく場面緘黙症は早期発見、早期治療が大事です。

 

幼児期の子どもを持つお父さんお母さんへ

  • お子さんは他所の人に挨拶ができますか?
  • 集団の中でおしゃべりができますか?

少しでも気になったら、「人見知りだから」で終わらせず、

受診または相談してみてください。

相談や質問は「お問い合わせ」からお願いします

不特定多数の方から丸見えのコメント欄では、お話ししにくい内容もあるかと思いますので、場面緘黙症についての相談・質問はこちらの「お問い合わせ」からお願い致します。

私の経験を伝えることしかできませんが、お役に立てれば嬉しいです。

コメント欄には、子どもの成長や現在取り組んでいることなど、前向きな内容を残して頂けると同じ悩みを持つ方の参考になるかと思います。

それと、「問い合わせしたけど返事が来ない!」というご指摘もコメント欄からお願いします(汗)